外国人の採用に人材紹介のエージェント会社のサポートは必要か

作成日:2019年11月29日 更新日:2020年2月8日

少子化の影響による日本人の労働者雇用が年々難しくなってきている今、外国人の労働者獲得に向けて企業が精力的に活動し始めています。出入国在留管理庁の情報によると、令和元年(2019年)6月末段階での在留外国人数は282万9,416人であり、2018年度末に比べ98,323人の増加を記録し過去最高となっています。

 

[参照] 出入国管理庁 統計

 

このうち、厚生労働省が発表した就労している数(外国人雇用の届出状況)の情報では、2018年10月末時点で1,460,463人が日本国内で働いていることになります、

 

[参照] 厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(平成 30年10月末現在)

 

そんな日本国内の労働環境を支えている外国人労働者の採用を効率よく行うのに「専門のエージェント会社」を利用する企業が増えています。

 

今回は専門の人材紹介のエージェント会社にはどのようなものがあるのか、またサポートがある場合のメリットやデメリット、利用における注意点、採用までの流れなどについてまとめました。

 

外国人の採用に紹介してくれる会社の特徴

 

外国人の人材紹介そしているエージェント会社とは、採用したいと考えている日本企業と、日本企業で働きたいと考えている人をマッチングにより雇用契約を締結させるためのサポートを行う企業のことです。

 

具体的な業務内容として、人材の選定から企業への紹介をはじめ、求人票作成や面接日の設定、模擬面接、面接後の合否連絡、採用までの事務手続きなどを行ってくれます。

 

この外国人の人材紹介をしているエージェント会社には大きく分けて2つの形態があり、1つは「登録型」と呼ばれるもの、もう1つは「サーチ型」と呼ばれるものです。

 

登録型のエージェント会社

登録型の人材紹介エージェント会社とは、登録されたデータベースから企業が欲しい人材とマッチした候補者を紹介する会社のことを言います。幅広い職種を網羅しているところや、業態や国籍といったジャンルを絞った専門的なものなど、様々な会社が存在しています。日本国内では登録型の人材紹介エージェント会社が多いものの、登録者数はまだまだ少ないのが現状です。

 

サーチ型のエージェント会社

サーチ型の人材紹介エージェント会社とは、企業から依頼のあった求人を、自社の保有するデータベースだけでなくSNSやウェブサービスなども駆使して探し出してスカウトやヘッドハンティングを行う会社のことを言います。コスト高となることが多いものの、職種および業種が非常に特殊な場合の採用においては効果を発揮します。

 

エージェント会社を通した採用活動の流れ

 

利用する場合、以下のような流れで採用活動が行われるのが一般的です。

 

1.問い合わせ

自社の求人ニーズに則した採用活動を行えるエージェント会社を探してコンタクトを取ります。

 

エージェント会社は一社だけでなく「登録者数が多い」「自社業界に強い」「特定の国や地域とのコネクションが強い」といった特徴に応じて複数アプローチしておくのがよいでしょう。

2.依頼の決定

エージェント会社との打ち合わせ(訪問もしくは電話等)を行い、採用募集の依頼をするかどうかを決定します。

3.募集する求人情報の提供

エージェント会社に求人情報を提供し、募集をかけてもらいます。

4.書類審査⇒面接候補者の選定

面接希望があった候補者の中から面接を行いたい人材を選定します。この段階での面接の日程調整や不採用となる候補者への連絡等はエージェント会社を通じて行ってもらいます。就労ビザが問題なく取得できる人物かどうかはこの段階できちんと確認しておきましょう。

5.面接

採用候補者との面接を行った上で採用の可否を検討します。求職者の中には複数回面接を行うことを嫌う人もいます。求人情報を提供する段階で、エージェント会社には最終決定までの面接の予定回数を伝えておくのが良いでしょう。

6.内定・条件交渉

採用が決定したら雇用契約を結ぶ等、諸々の手続きを進めていきます。最終的な給与交渉もこの時点で行います。手続きは日本人雇用と大きく異なるわけではありませんが、採用の場合には雇用契約書を作成後、入国管理局に就労ビザの申請を行う必要があります。手順がわからないことは、エージェント会社に確認しながら進めていくのが安全です。

7.雇用スタート

準備がすべて整って入社時期が決まったら一連の活動が終了となります。ほとんどのケースでは入社日イコール紹介手数料の請求日となります。

 

気をつけておきたいこととして、雇用したもののすぐに退職してしまった、出社してこなくなってしまった、ということが実際にあることから、エージェント会社との間には必ず返金規定が設けられていますのでしっかり確認しておく必要があります。退職までの期間によって返金率が異なることもあり、100%返金されないケースもあり得ますので注意しておきましょう。

 

どのようなメリットとデメリットがあるか

メリット

まずは外国人の人材紹介のためのエージェント会社を利用したサポートを受ける際、どのようなメリットがあるかを見ていきます。

 

採用担当者の負担軽減

採用担当者にとっては、エージェント会社に採用業務を代行する形なので業務の負担は大幅に減ることとなります。会社にもよりますが、企業ごとに専任の担当が付いて様々なサポートを行ってくれるため、バイリンガルのスタッフがいるところだと、求職者とのコミュニケーション的な部分も安心して任せられるでしょう。

 

成約までの費用が無料

ほとんどは成功報酬型を採用しています。そのため成約に至るまで費用はかからないのが普通です。

 

なお成約した際には、一般的に採用候補者の年収の30%前後となる紹介手数料がかかります。一部の専門的職種の場合やエグゼクティブ採用のケースでは、40%前後の紹介手数料となるケースもあるようです。

 

候補者のターゲットが絞りやすい

人材紹介のエージェント会社が保有する豊富な人材データベースに対し、企業が求める候補者条件を詳細に設定してマッチングをかけることができるため、ターゲットが絞りやすくミスマッチが起こりにくくなります。

 

もし、自社でのみ採用活動を行った場合だと、候補者のスクリーニングができず、無駄なやり取りや面接機会が増えてしまい、採用活動の長期化を引き起こしてしまうことがあり得ますので、採用担当者は面接候補者の選定に注力することができます。

 

非公開求人の募集ができる

人材紹介のエージェント会社の募集では「非公開求人」というケースを取る場合があります。これは求人の募集が殺到しないようにするための処置や急を要する場合や、ライバル企業や社員に採用活動を知られたくないケース等において行われるもので、より良い人材を効率よく採用するために非公開求人を積極的に行っている企業もあります。

 

デメリット

次に利用する際のデメリットについて見ていきます。

 

採用コストが高額になる場合も

先ほど人材紹介のエージェント会社への紹介手数料は30%~40%程度とお伝えしましたが、採用する人材の役職や希望する年収に伴い、非常に高額の紹介手数料が発生する場合があります。

 

たとえば、年収700万の外国人エンジニアを採用しようとした場合、210万~280万の費用がかかることになりますので、自社の求める人材の想定年収や紹介手数料についてはあらかじめ支出される予定金額をイメージしておく必要があります。

 

募集エリアによってはマッチングが難しいケースも

Webサイトでは「全国対応」とうたっているエージェント会社もありますが、首都圏や大都市といったエリアや外国人候補者が居住しているエリアであれば求人情報も集まりやすいものの、そうでない地方や都市部郊外などのエリアでは、求人の母数自体が少なくマッチングそのものが難しくなってしまいがちです。自社の置かれている立地条件に応じてエージェント会社を活用するか否かの判断が必要になります。

 

エージェント会社の担当者の力量に左右される

人材紹介のエージェント会社によっても業種や職種、国籍などよる得意・不得意は必ずあります。また、担当者のスキルによっても採用の進行状況が大きく変わってきます。

 

当然相性の問題もありますが、自社の業界に疎かったり、外国人労働者採用に不慣れであったりするのを感じた場合には、担当を変えてもらったり、別の会社を利用したりといった判断も必要になります。

 

人材紹介の会社を使わない採用の方法もある

 

ここまでは外国人の人材紹介のためのエージェント会社を活用して採用活動を行う場合について見てきましたが、利用しない採用方法もあります。ここではサポートを受けない採用方法についてまとめました。

 

求人サイトの活用

求人サイトとは、企業の求人情報を取りまとめたポータルサイトのことです。求人サイトを訪れた求職者が自分でエリアや業種・職種などの条件から企業を探し出し、応募する形となります。気軽に利用できる反面、誰でも企業に直接応募ができてしまうことから、日本語のコミュニケーションが取れる外国人からの応募だけではないケースも想定されるため、やり取りに手間がかかってしまうことが考えられます。

 

掲載は無料のものから費用が数十万かかるものまであるので、よく吟味して選ぶ必要があります。

 

外国人向けの新聞・媒体への広告

訪れる機会の多い店舗やコミュニティなどでよく見かけるフリーペーパーや、在留外国人が購読する新聞などに求人募集の広告を掲載することで労働者を募集することもできます。ただし、これらでは企業によって、日本で働くオーナーが労働者の募集に利用することが多いのが特徴です。

 

日本語学校との連携

企業が国内や海外の日本語学校と連携するという採用ルートもあります。通う生徒には若者が多く、新卒や第二新卒と変わらない年齢の外国人を採用できるメリットや、特性から日本語力がある程度備わっている状態であることが大きなポイントです。

 

中には日本語を学んで本国に戻り、日系企業に就職を希望するといったケースもありますが、日本で働きたいと考えている学生は多く、有望な人材を確保できる可能性は高いといえます。

 

外国人雇用サービスセンターの利用

対象としたハローワークとして「外国人雇用サービスセンター」があります。これは東京と名古屋、大阪に置かれています。これら機関を利用している求職者も多く、マッチングを行うための就職説明会も頻繁に開催されていますので、活用しない手はないでしょう。

 

SNSの活用

SNS(ソーシャルネットワークサービス)で求人募集を行う企業も増えています。LindIN(リンクトイン)やFacebookなど職歴や学歴を辿れるツールから直接コンタクトを取ることも可能なため、採用につながることもあり得ます。

 

まとめ

 

以上、人材紹介のエージェント会社の形態、利用の際のメリットやデメリット、採用までの流れなどについてまとめてきました。

 

上記で紹介してきたように、利用する以外にも労働者の採用活動を行う方法はありますが、利用することで、専任担当者のサポートにより自社がピンポイントで欲しい外国人労働者の採用活動が楽に進められるメリットがありますが、その一方で高額な紹介手数料といったコストの問題も発生します。

 

もし利用する場合、できるだけ自社の採用方針にマッチした会社に絞った上で採用活動を行うことをオススメします。


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