外国人の雇用に必要な就労ビザ・在留資格の確認と申請費用

作成日:2019年11月29日 更新日:2020年8月8日

昨今、日本国内の外国人労働者は益々増加傾向にあります。厚生労働省の発表では、2018年10月末時点で146万463人にも上るとのこと。2019年4月施行の「改正入管法」により、人材不足が顕著な業種では単純労働での外国人の人材活用が可能になりました。今後さらに拡大される見込みのようです。経営者や企業の採用担当にとっても、より身近になっていくと考えられます。いざ外国人労働者を採用するとなった時、最初に重要なのが「就労ビザ・在留資格の確認」です。その確認や調整でどのようなことが具体的に必要になるのか、あらかじめ知っておきましょう。

 

[参照] 外務省 入管法改正による新しい在留資格特定技能の創設

 

外国人を雇用の際に「在留カード」を確認しよう

 

そもそも「在留資格」とは、外国人が本国に入国・在留して行うことのできる活動などを類型化したものを言います。この資格があることで、日本に住んで活動することができます。

 

日本に正式な手続きを経て入国してきた外国人は、「在留カード」というものを持っています。これには「在留資格」が記載されているので、それを見て在留資格の種類・有無を確認しましょう。

 

在留カードは表面に番号、顔写真、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、就労制限の有無、在留期間(満了日)、許可の種類、許可年月日、交付年月日、などの外国人に関する重要な情報が載っています。裏面には、居住地を変更したときの記入欄、資格外活動許可欄、在留期間更新等許可申請欄があります。

 

実物は自動車の運転免許証と同じサイズのカードで、2012年7月から交付されていますが、在留期間が「3月以下」や「短期滞在」の在留資格には、在留カードは交付されず、パスポートに証印シールが貼られています。

 

ちなみに、外国人労働者に必要な「就労ビザ」という言葉も耳にしますが、実は「就労ビザ」というのは正式な用語ではありません。「在留資格」が「就労ビザ」と呼ばれるだけなので、基本的には同じものを指しています。

 

[参照] 出入国在留庁 「在留カード」はどういうカード?

 

在留資格とビザの違い

一方で、「ビザ」という言葉もあります。
ビザ(査証)は、自国以外の国に入国する際に必要となるもので、大使館や領事館が発行します。要は、例えばその外国人が日本に入国しても支障がないですよ、という推薦状のようなもの。

 

対して「在留資格」は、入国した外国人が法の下に適切に滞在していますよという証明です。これが、外国人自身が日本に滞在できる根拠となるのです。つまり、「ビザ」だけでは日本で就労できないことになります。日本への旅行者が日本に来て働けないのと同じです。

 

[参照] 外務省 海外渡航・滞在

 

外国人の採用検討時には在留期間の確認も

 

日本国外の労働者を雇用する際には、何よりもこの在留資格の確認が重要になります。

 

外国人の採用を検討するときは、

 

・現在の在留資格は何か?
・有効期限(満了日)はいつか?

 

を必ず確認します。これは必ず採用選考の段階で行うようにします。

 

・既に「満了日」の日付を過ぎている
・かつ裏面に「在留資格変更許可申請中」などの記載がない

 

このような場合は有効期限の切れた無効なカードです。在留期間は更新されておらず、その時点での在留資格は消失していますので、「不法滞在」の扱いになります。これをわかった上で外国人労働者を採用した場合には、「不法就労」で罰せられることもあるので十分注意しましょう。

 

在留カードのチェックポイント

・在留資格の種類
・就労制限の有無
・在留期間の満了日
・裏面の資格外活動許可欄

 

在留資格の種類

・技術・人文知識・国際業務
・留学
・永住者
・日本人の配偶者等

 

など在留資格の区分が書かれています。

 

例えば、「留学」の在留資格として「留学生」の場合、そのまま就労させることはできません。外国人労働者を社員として雇用する際には、「技術・人文知識・国際業務」などの就労の区分に変更する必要があります。

 

在留資格 行うことができる活動(仕事) 在留期間
医療(医療従事者) 医師・歯科衛生士・看護師・薬剤師・理学療法士などの資格を有する者が医療業務に従事する活動 5年・3年・1年・3ヶ月
介護(介護福祉士) 介護福祉士の資格を持つ外国人が、介護福祉施設との契約に基づき介護業務に従事する活動 5年・3年・1年・3ヶ月
技能(医療従事者) 日本の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野にて熟練した技能を要する業務に従事する活動 5年・3年・1年・3ヶ月
企業内転勤(国際間における人事異動) 日本に本店、支店、その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が日本にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行う技術・人文知識・国際業務の活動 5年・4年3ヶ月・4年・3年3ヶ月・3年・2年3ヶ月・2年・1年3ヶ月・1年・6か月・3ヶ月
経営・管理(経営者や会社役員) 日本において貿易その他の事業の経営を行い、または当該事業の管理に従事する活動 5年・3年・1年・4ヶ月・3ヶ月
技術・人文知識・国際業務(オフィスワーク全般) 日本の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学、その他の自然科学の分野もしくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術もしくは知識を要する業務または外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務に従事する活動 5年・3年・1年・3ヶ月
特定活動(インターンシップなど) 外国の大学生が、教育課程の一環におけるインターンシップでの活動やワーキングホリデーにおける活動 5年・3年・1 年・6ヶ月・3ヶ月または指定の期間(5年未満)
特定技能1号・2号 人材不足が深刻な分野(介護など)において、一定の技術を有する外国人を受け入れる制度 上限5年(4ヶ月、6ヶ月、または1年ごとの更新)

 

ちなみに、在留資格は昨今いくつか追加されており、外国人労働者については日本の人手不足解消を狙って2017年には「介護」、2019年4月には「特定技能」を追加しています。

 

とりわけ最近の流れで重要なのは、2019年4月に追加された「特定技能」です。これまでは技術や知識を持った外国人労働者のみが日本で働くことを許されていましたが、積極的活用の観点から、「特定技能」が設けられ、このことにより実質的に単純労働にも採用することができるようになりました。

 

[参照] 出入国在留管理庁 在留資格一覧表

 

就労制限の有無

在留カードの表面には、就労制限の有無も記載されています。

 

知っておくべきは、外国人には就労不可の場合に例外がある点です。「就労不可」と記載され、裏面の資格外活動許可欄に「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されている場合に限っては、その制限内での就労が可能です。主にアルバイトの場合に当てはまるでしょう。

 

在留期間の満了日

在留期間の満了日を過ぎると、在留資格は消失してしまいます。期間が満了する日の3ヶ月ほど前から申請できます。更新には申請後2週間~1ヶ月ほどかかるため、ギリギリにならないように余裕を持って更新することを外国人労働者に勧めてください。

 

裏面の資格外活動許可欄

ここには、備考欄として就労の制限などの追加条件や特例などが記載されていることがあります。表面だけでなく、裏面も確認して複写などしておくようにしましょう。

 

外国人留学生の場合は

外国人留学生の「留学」の在留資格では、正社員として雇用することができないので、新卒として入社させる場合には、入社までに「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格に変更します。在留資格変更許可申請書を作成して、外国人留学生が入国管理局・支局に申請しましょう。

 

在留資格取得見込みの場合は

採用したい外国人がまだ在留資格を持っていない場合には、雇用を考えている職種に関して、「学歴や職歴」が取得要件と合致しているのかを確認します。

 

就労を可能にするには、

 

・4年制大学の卒業

・10年以上の実務経験

 

などの要件がそれぞれ定められています。

 

外国人労働者を採用したものの在留資格が取れなかったという事態にならないように、あらかじめ仕事内容と在留資格がマッチするのか確認し、詳しいことを入国管理局に問い合わせておきましょう。

 

資格の取得申請に必要な書類

 

外国人労働者の資格取得の申請は、管轄の入国管理局で行いますが、申請に必要な書類は場合によって異なりますので整理しておきましょう。

 

内定者を海外から呼び寄せる場合

今海外で住んでいる・在留資格のない外国人を雇用したい場合には、資格の取得が必要です。この場合は、まず雇用主が代理人として、入国管理局へ「在留資格認定証明書」の交付を申請します。そして、交付された証明書を海外にいる内定者へと送付すれば、今度は内定者の手続きです。外国人労働者は受け取った証明書を持参して日本の在外公館でビザを申請し、ビザと共に提示して日本へ入国します。

 

在留資格認定証明書申請に必要な書類
・在留資格認定証明書交付申請書
・写真(3ヶ月以内に撮影されたもの。縦4cm・横3cm)
・返信用封筒(宛名を記し、簡易書留用に392円分の切手を貼付したもの)
・日本での活動内容に応じた資料(所属機関の区分を証明する書類を提出する)

 

[参照] 出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請必要書類一覧

 

日本にいる内定者を同職種から中途採用する場合

外国人労働者の内定者がすでに日本で働いている場合は、既に在留資格を保有しているはずです。中途採用後の職種が転職前と同じ場合には、これに関して特に法的な手続きは不要です。ただし、外国人労働者の在留資格が新しい職種と合致しているかについて気になる場合は、入国管理局にて1,200円で「就労資格認定証明書交付申請」を行って確認することも可能です。確認は当日中に行うことができます。

 

就労資格認定証明書交付申請に必要な書類
・申請書
・資格外活動許可書
・在留カード又は特別永住者証明書(特別永住者証明書とみなされる外国人登録証明書を含む)
・旅券又は在留資格証明書(提示することができないときは、その理由を記載した理由書)
・身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)

 

日本にいる内定者を異職種から中途採用する場合

異職種などからの転職で外国人労働者を中途採用する場合には、入国管理局に「在留資格変更許可申請」をします。申請には、2週間~1ヶ月ほどかかります。

 

在留資格変更許可申請に必要な書類
・申請書
・写真
・在留カード
・資格外活動許可書
・旅券又は在留資格証明書(提示することができないときは、その理由を記載した理由書)
・身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)

 

[参照] 出入国在留管理庁 在留資格変更許可申請

 

アルバイトとして雇う場合

日本にいる外国人を正社員ではなくアルバイトとして雇う場合には、在留資格に関する手続きは必要ありません。ただし、外国人を雇用しようとする本人が「資格外活動許可を得ているか」どうかは必ず確認しなければなりません。「資格外活動許可」を得ていればアルバイトとして働くことができます。

 

ただし、外国人労働者の資格が「留学」もしくは「家族滞在」の場合は、「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」旨の制限があるので覚えておきましょう。

 

資格の取得申請に必要な費用

 

では、外国人労働者の在留資格取得申請には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。

 

新規に認定の場合

外国人労働者の在留資格を新たに取得する際には、特に手数料は必要ありません。ただし、行政書士などに申請のサポートを依頼する際には、それぞれの行政書士が設定する費用が必要になります。

 

更新の場合

外国人労働者の在留期限が過ぎるために資格を更新する際には、4,000円の手数料がかかります。印紙で納付しましょう。こちらも、行政書士などに申請のサポートを依頼する際には、それぞれの行政書士が設定する費用が必要です。

 

まとめ

 

このように、外国人を採用する場合には、在留資格の確認や条件が満たさせていない場合の手続きなどが個別に必要になります。このような個別対応に慣れていなかったり、難しかったりする場合には、外国人労働者専門のエージェント利用がおすすめです。外国人労働者専門のエージェントなら、在留資格の判断や調整などに長けているので、安心して採用候補のピックアップを任せることができます。特に、これから初めて外国人の採用にトライしてみたいと考えている企業にとっては、かなり心強い存在となるでしょう。


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