外国人を雇用する際の必要書類と手続き

作成日:2019年11月29日 更新日:2020年2月8日

年々増加している外国人労働者。あなたの会社でも採用してみようという声が具体的に上がっているのではないでしょうか?2019年4月からは、単純労働の分野でも就労できる「特定技能」での在留資格がスタートし、外国人労働者は今後もますます企業にとって身近な存在となっていくでしょう。

 

[参照] 国際研修協力機構 在留資格「特定技能」とは

 

では、その外国人労働者を実際に雇用する際には、具体的にどのような書類や手続きが必要なのでしょうか。日本人と同じ感覚で簡易的に採用作業を行なっていると、思わぬ法制上の落とし穴にハマることもあります。未然にトラブルを防ぎ、スムーズに外国人の採用を円滑に進めるために、必要な手続きについて、細かく知っておきましょう。

 

外国人を雇用するまでの流れとは

 

まずは、大まかに外国人を迎え入れるまでの流れを確認しておきます。

 

外国人を迎え入れるまでの流れ
1.面接
2.内定を出し、雇用契約書を作成
3.在留資格取得申請など

 

外国人をスムーズに採用できるかどうかは、在留資格の有無が大きな差になりますが、もしもまだ取得できていない場合でも、内定や雇用契約書の作成が先になります。

 

絶対に確認しておくべきこと

 

外国人労働者を雇用する際に最も気をつけておかなければならないのが、「在留資格」の確認です。知らずのうちに不法滞在をサポートしていた、資格が切れていてある日突然いなくなった、などのトラブルが起こらないように、外国人について採用面接の段階できちんと確認しておきましょう。

 

1.在留資格・在留期間の確認

まずは、在留資格の有無とその期間をよく確認します。「在留資格」とは、外国人が本国に入国・在留して行うことのできる活動などを類型化したものを言います。これがあることで、日本に住んで活動することができます。よって、これを持たない外国人は、日本で就労することはできません。

 

[関連ページ] 外国人を雇用する際に必要となる就労ビザ・在留資格の確認と申請に必要な費用

 

在留カードを確認しよう

日本に正式な手続きを経て入国してきた外国人は、自動車の運転免許証と同じサイズの「在留カード」というものを持っています。これには「在留資格」が記載されているので、それを見て資格の種類・有無を確認しましょう。ただし、外国人の在留期間が「3月以下」や「短期滞在」の場合には交付されず、パスポートに証印シールが貼られています。

 

外国人の在留カードは表面に番号、顔写真、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、就労制限の有無、在留期間(満了日)、許可の種類、許可年月日、交付年月日、などの重要な情報が載っています。裏面には、居住地を変更したときの記入欄、資格外活動許可欄、在留期間更新等許可申請欄があります。

 

 

[参照] 出入国在留管理庁 「在留カード」はどういうカード?

 

2.在留資格の種類の確認

外国人の在留資格には、いくつもの種類があります。2018年4月時点では、23種類の在留資格」と「4種類の身分系在留資格」があり、その中からいずれか一つを取得することになっています。

 

外国人労働者が日本国内の企業に就業する場合には、この27種類の在留資格の中から採用ポジション・仕事内容に合致する在留資格を持っていなければなりません。これから取得する場合にはもちろんですが、すでに持っている人も、その種類がこれから就く仕事内容と合致しているのか確認する必要があるのです。

 

例えば、よくある社内のポジションで言えば、「総務部」に所属するのなら文系の専攻内容を大学で専攻していた事実が必要になります。また外国人エンジニアとして働く場合は、理系の専攻内容を専攻していた経歴が必要です。

 

外国人労働者のそれぞれの在留資格には、「学歴・実務経験」の条件があり、以下の書類を入国管理局に提出します。

 

・外国人の学歴についての書類:卒業証明書や成績証明書
・採用職種についての書類:雇用契約書や採用理由書

 

実務経験に関しては、採用しようとする職種で10年以上の実務経験があれば、技術・人文知識・国際業務ビザの取得の条件をクリアできます。とりわけ通訳や語学講師としての外国人の採用の場合は、3年以上の実務経験で条件をクリアできます。

 

3.在留資格がない場合、取得できる見込みはあるか

外国人労働者に在留資格がまだない場合は、就労前に申請して取得できる見込みはあるかどうかもよく確認しましょう。先ほども説明した通り、日本での就労にはその仕事内容・ポジションに合致した資格を取る必要があり、その取得には学歴・実務経験の条件があります。そのため、採用時にはその仕事内容に合致した資格が取れるかどうかをある程度判断することが大事です。

 

外国人労働者について面接などの採用試験を通過して内定を出したものの、在留資格が取得できずに入社できなかったというケースもあります。時間・費用の面で両者にとって無駄になってしまいますので、注意しておきましょう。留学生も注意です。ある統計では、留学ビザから就労ビザへの変更申請のうち約1割で申請が下りなかったとされています。

 

在留資格の取得申請に必要な書類

 

では、これから取得する際、どのような書類が必要になるのでしょうか。

 

まず外国人が在留資格を取得する際には、入国管理局に申請します。ビザ(査証)の場合は大使館や領事館が管轄ですが、この場合は入国管理局になります。外国人労働者について認められると「在留資格認定証明書」をもらうことになります。

 

在留資格取得申請に必要な書類

 

企業側の必要書類
・雇用契約書
・全部事項証明書(企業謄本)
・決算報告書のコピー
・会社案内などのパンフレットなど
・社内の写真 ※任意
・雇用理由書 ※任意

 

本人側の必要書類
・在留資格認定証明書交付申請書(1通)
・写真2枚(4cm×3cm、申請前6カ月以内に撮影され上半身無帽・無背景で鮮明なもの)

 

これに加えて、学生などの場合には

 

・卒業証明書または卒業見込み書
・パスポート
・日本語検定の合格証明書※任意
・無犯罪証明書※任意

 

などが必要になります。取得する在留資格の種類によって追加で資料を求められることがあります。

 

在留申請が受理されるまでは、申請する企業の規模や本人の学歴や職歴によって大きく開きがあり、1ヶ月で済むこともあれば、1年ほどかかることもあります。外国人労働者の採用が決まったらなるべく早く申請しましょう。

 

[参照] 出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請必要書類一覧

 

外国人に必要な資格があっても内容変更を伴う場合も

 

すでに持っている外国人を採用する場合も、再度在留資格の種類を確認しておきましょう。これまでの職種と同じ場合は確認だけで済むこともありますが、職種が異なる場合は、種類を変更しなければなりません。

 

職種が異なる場合

実際に働く職種を考慮して発行されているため、前職の在留資格のまま異種の仕事に就くことはできません。全く異業種の場合には変更が必要ですが、まずは、雇用しようとする外国人が所持する資格が有効であるかどうか、入国管理局に判断してもらうと安心です。これを「就労資格証明書交付申請」と言います。

 

例えば、「就労資格証明書交付申請」をしないで外国人を雇用をすると、その時はよくても、その労働者の就労ビザの更新時期になって更新の申請が通らず、雇用が継続できない事態も起こり得ます。日本国内ですでに働いている外国人労働者を採用する場合には、「就労資格証明書交付申請」を行っておきましょう。

 

就労資格証明書交付申請に必要なもの
・就労資格証明書交付申請
・在留カード
・パスポート
・前職の退職証明書・源泉徴収票
・学歴または職歴を証明する書類(大学または専門学校の卒業証明書、成績証明書あるいは過去の勤務先の在職証明書など)
・本人の履歴書(学歴・職歴を記載したもの)
・前年分の従業員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表のコピー(受付印のあるもの)
・会社の登記事項証明書
・会社の定款のコピー
・会社案内またはホームページの写し
・直近年度の貸借対照表、損益計算書のコピー
・採用理由書
・雇用契約書

 

[参照] 法務省 就労資格証明書交付申請

 

留学生を卒業後雇う場合

日本で留学中の外国人の学生を卒業後に新卒として採用する場合には、「留学」の在留資格から「就労」の在留資格へ切り替えます。4月入社の留学生なら、前年の12月1日から在留資格変更許可申請が可能です。春は入国管理局が混雑しやすいので、早めに申請をし、4月にスムーズに入社できるようにしましょう。

 

留学生の在留資格変更に必要な書類
・在留資格変更許可申請書
・本人の証明写真(縦4cm×横3cm)
・学歴または職歴を証明する書類(大学または専門学校の卒業証明書、成績証明書あるいは過去の勤務先の在職証明書など)
・在留カード
・パスポート
・本人の履歴書(学歴・職歴を記載したもの)
・前年分の従業員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表のコピー(受付印のあるもの)
・会社の登記事項証明書
・会社の定款のコピー
・会社案内またはホームページの写し
・直近年度の貸借対照表、損益計算書のコピー
・採用理由書
・雇用契約書

 

[参照] 法務省 在留資格変更許可申請書

 

ほかに必要書類はなにがあるか

在留資格の申請以外は、外国人も日本人を採用するときと同じ手続きを行います。雇用保険、社会保険、住民税や所得税の手続き、銀行口座の開設なども進めましょう。

 

ただ、申請から受理までに日数を要することもよくありますので、入社日が決まっているのなら早めに行いましょう。

 

会社として必要となる手続き

 

最後に、採用した後に会社側が行っておくべき手続きをまとめておきます。

 

外国人雇用届をハローワークへ提出

採用したら、外国人雇用届をハローワークに提出します。そこから厚生労働省に報告がいく仕組みです。入国管理局や雇用対策法で定められた提出物なので、必ず申請を行いましょう。この届け出を怠った場合には、30万円以下の罰金が課されることになります。外国人については正社員だけでなく、アルバイトや非正規社員も対象となりますので、会社側の採用担当・経営者は心得ておきましょう。

 

[関連ページ] 外国人を採用して雇用するための必要書類と手続きとは

 

在留資格更新手続き

外国人の在留資格には、その種類や状況によって必ず「在留期間」というものがあります。この期間を過ぎてしまうと自動的に失効してしまうため、期限が近づいたら必ず更新の手続きを行います。「技術・人文知識・国際業務」を例に挙げてみると、ビザの有効期限は1年・3年・5年の3種類があります。特に年数が長くなってくると次の更新がいつなのかを見過ごしがちなので、外国人を雇用している会社側としても管理しておく必要があります。

 

有効期限が切れたまま外国人が就業を続けると、「不法滞在」とみなされて国から罰金を徴収される可能性もあります。更新は有効期限が切れる3ヶ月前から申請できますが、申請受理までには約1ヶ月かかります。そのため、有効期限が切れる2ヶ月前には入国管理局への手続きをしておきましょう。

 

在留期間の更新に必要な書類
・在留期間更新許可申請書類
・パスポート
・在留カード
・在職証明書や雇用契約書の写し
・住民税の課税証明書

 

[参照] 法務省 在留期間更新許可申請

 

雇用契約書作成

内定を出したら、雇用契約書を作成します。このとき、入社後の給料などの条件をしっかり話し合い、双方に理解・合意した上で行うことが大切です。外国人労働者の場合はトラブルにならないように、入社前に完了しておくことをおすすめします。これは、諸外国では書面での契約を重視していることも一つありますが、何より、外国人の母国語が異なることで生じやすくなるコミュニケーションのすれ違いを防ぐためのものです。雇用契約書などを外国人労働者と取り交わすことは企業の義務なので、このことでトラブルにならないためにも書面のやりとりは必須です。書面は日本語のものと、英語や母国語に翻訳したものを作成し、両方を渡しておくと良いでしょう。

 

まとめ

 

外国人を採用する際には「在留資格」がキーとなります。これを申請したり、転職後の仕事内容・ポジションに最適化するための申請をしたりなど、手続きは複雑です。ここまでを読んでみて「制度が複雑で難しいな」「個別対応が必要なので詳しい人にアドバイスを求めたい」などと思った方もいることでしょう。そう思ったなら、ぜひ外国人労働者の専門エージェントを利用してみてください。法制上正しく取得し、常に新しい状態に更新している外国人の人材をスムーズに確保することができるでしょう。


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