外国人ITエンジニアの求人や職種と給料

作成日:2019年11月29日 更新日:2020年8月8日

ここでは、外国人ITエンジニアを募集しているしている求人やその職種と支払われる給料について解説しています。

 

IT技術の進歩は非常に目覚ましく、ここ最近はAIやIoT、ブロックチェーンといった技術革新を目にする機会も増えてきています。その一方で、開発する側のエンジニアの人材不足が深刻化してきています。

 

日本では少子化に伴い若年層の優秀なエンジニア採用が非常に難しくなっており、転職市場などでは求人は引く手あまたで、募集をかけてもなかなか出てこないという現実もあります。

 

そんな中、多くの企業が外国人ITエンジニアに注目し、ライバル企業としのぎを削りながら良い人材の獲得に向け採用活動を積極的に行っています。

 

ここではIT産業を中心とした募集について、外国人ITエンジニアの募集にいたる背景や業務に必要な能力、求人する職種や給料水準についてまとめてみました。

 

外国人ITエンジニアが急増している背景

 

2019年4月に経済産業省情報技術利用促進課が公表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査(概要)」によると、2020年における供給の見通しと需給ギャップは以下のようになっており、IT関連市場の拡大とともに人材不足の増加は否めない状況にあります。

 

2020年 2025年 2030年

IT人材需要の見通し
(需要伸び率2.7%で試算)

136万人 147万人 158万人
IT人材供給の見通し 106万人 110万人 113万人
IT人材の需給ギャップ 約30万人 約36万人 約45万人

 

[参照] 経済産業省 - IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書

 

特に人材不足となる領域として

 

・IoT
・ビックデータ
・AI
・ロボット

 

などのジャンルでの不足は顕著です。

 

また、労働生産性上昇率を見ても、主要国の2010年代の労働生産性上昇率は、アメリカ2.2%、ドイツ4.2%、フランス2.3%なのに対し、日本は0.7%と他国に大きく水をあけられているのが見て取れます。

 

日本人の技術者自体が市場にあまり出回らず採用が難しい現実がある中、その打開策として外国人ITエンジニアの採用が急務となっているのです。

 

日本のIT教育は世界に大きく後れを取っている

IT人材の不足による外国人ITエンジニア募集の背景の一つにはIT教育の遅れがあります。
ようやく2020年より小学校からのプログラミング教育が必須となり、育成を試みるための施策が始まりますが、その子供が大きくなるまでには相応の時間がかかりますし、当然ながら全ての子供がIT人材となりうるわけではありません。それに少子化に伴いますます子どもの数が減少していくため、日本の中だけで解消することは難しいのです。

 

このような背景もあり、外国人ITエンジニアの日本での活躍の場が広がっているといえます。

日本のIT産業の持つマイナスイメージ

日本のIT産業は今でも3K「きつい」「帰れない」「給料が安い」というイメージがあります。このようなイメージからこの産業で働くことを躊躇する学生や社会人はまだまだ多いのが実情です。

 

016年発表の「労働市場分析レポート」でもIT業界の求職率が5年で半分に減少するなど、若年層のIT産業離れが続いており、その結果、外国人ITエンジニアを採用しようとする企業を増加させているのです。

 

[参照] 厚生労働省 労働市場レポート

 

急増中の外国人労働者

厚生労働省が発表している「外国人雇用状況」の届け出状況によると2018年10月末現在、労働者数は1,460,463人となり、前年比で14.2%の増加となっています。これは2007年の届出義務化以降過去最高で、2013年からは6年連続増加傾向にあります。

 

増加した背景には大きく2つあり、1つには雇用の適切な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)が2017年11月から施行されたことで技能実習生が増加したこと、もう1つには2019年4月から「特殊技能」という、「介護」「ビルクリーニング」「素形材産業」「産業機械製造業」など14種類の分野の単純労働を含めた就労が可能な、在留資格が新設されたことが挙げられます。

 

外国人労働者のうち、情報通信業に従事する人の数は57,620人(全体の3.9%)となっており、

 

国別では

 

・中国(香港含む):27.088人

・韓国:8,679人
・フィリピン:1,673人
・ベトナム:3,611人
・ネパール:471人
・インドネシア:455人
・ブラジル:868人
・ペルー:295人
・G7/G8+オーストラリア+ニュージーランド:5,379人
(うちアメリカ):2,113人
(うちイギリス):733人
・その他:9,101人

 

という数字が出ています。

 

[参照] 厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況について(報道発表)

 

技術者に日本語力は必要か?

日本で働く外国人のすべてが日本語を流暢に喋れるわけではありません。それに職場環境にもよりますが、エンジニアであれば対外コミュニケーションの場は営業やマーケティングよりは少ないと思われます。そのため日常会話ができる程度は必要になっても、ハイレベルな日本語力は必要としていないことが多いです。能力の高さを求めすぎて、就労を敬遠されることがないように妥協ポイントは見極める必要があります。

 

クライアントや外注とのやりとりが任せられない

よく外国人ITエンジニアは「プログラムが書ければコミュニケーションを取らなくてもいい」ということを耳にすることがあります。基本的にプログラム言語は英語で書かれていることもあり、英語でのコミュニケーションができる人材であれば日本語能力不足を補完することができるでしょう。

 

しかし外国人も日本企業で働く限り、社内の人間はもちろんのことクライアントや外注に対し、日本語でのメールや電話、ミーティングが行われることとなります。その場合に意思疎通に問題がないようなレベルかどうかは入社前に確認しておく必要があります。外国人ITエンジニアの日本語能力が日常会話レベル以上でないと、せっかく採用したものの日本企業で働き続けることが苦痛になり退社してしまう可能性もあり得ます。

 

重要な「日本語能力試験」

人材の能力を計るのに「日本語能力試験」が活用されます。能力があるかどうかを書類選考の段階で確認できるため注力しておきたい能力の一つです。

 

採用において能力を判断する際には「日本語能力試験(JLPT)」が活用されることが多いです。試験の評価にはN1~N5の等級があり、ランクに応じて採用を検討することができます。
一般的に外国人ITエンジニアとして必要な等級はN1またはN2と言われていますが、まれに技術力が高い場合であればN3クラスでもよいとされる場合があるとも言われています。

 

試験のレベルとコミュニケーション能力
レベル 日本語能力 コミュニケーションレベル
N1 幅広い場面で使われる日本語を理解できる 専門的な内容、新聞の論説など高度で抽象度の高い文章について日本人とコミュニケーションすることができるレベル
N2 日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる 一般的な話題や日常場面で使われる漢字を自然なスピードで使うことができ、日レベル
N3 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる 自然のスピードに近い会話が行え、問題なく日本人とコミュニケーションすることができるレベル
N4 基本的な日本語を理解することができる ひらがな、カタカナの読み書きや受け答えを行うことができるレベル
N5 基本的な日本語をある程度理解することができる 日本語を読んだり書いたりする能力に乏しく、ゆっくりした会話、挨拶程度のことができるレベル

[参照] 日本語能力試験 「日本語能力試験」(N1~N5:認定の目安)

 

この試験の最大のメリットとは、日本の出入国管理上の優遇措置が受けられるポイントが付与される (高度人材ポイント制) ことでしょう。
加点対象として、試験のN1合格者には15ポイント、N2合格者には10ポイントが付与されます。70ポイント以上で優遇処置を受けることができるため、日本語能力の高い外国人は非常に大きなポイントを稼ぐことができます。

 

他にも、下記のような特定の資格試験を受けるための条件として試験の結果が必要となります。

 

[関連ページ] 外国人を採用する際に日本語能力をどのようにチェックすればよいのか

 

日本語能力試験のN1が受験資格となっている国家試験
医師、歯科医師、看護師、薬剤師、保健師、助産師、診療放射線技師、歯科衛生士、歯科技工士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救命救急士、言語聴覚士、獣医師

 

高度人材ポイント制の加点対象となる

他に、ポイント加算が行われる試験として他に「BJTビジネス日本語能力テスト」があります。こちらは480 点以上で15ポイント付与、400点以上で10ポイントが付与されます。

 

会話力を判断するものではないことに注意

外国人の日本語能力試験で測れるのは、文字や語彙、文法への理解、さらには読解力、ヒアリング能力です。また試験自体が大規模で行われるものであるため、マークシートによる回答形式となっています。そのため、会話力や日本語を書く能力を判断することが試験の結果からはできません。

 

そのため、外国人ITエンジニア採用に基準として能力を図る場合、試験を受けたことがない人や、試験の評価自体は悪いものの、会話がネイティブレベルの人も実際にいます。試験の結果から読解力やヒアリング能力が高いと判断して採用したものの、日本語会話が全くダメ、メールすら書くことができない、ということがないように試験の結果に頼った外国人の能力判定をすることは厳禁です。

 

外国人労働者を採用することのメリットとデメリット

 

[関連ページ] 外国人を採用することのメリットとデメリットとは何か

 

これまで見てきたように外国人労働者が増加している中で、採用を行うことのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

 

採用するメリットについて

若年層人材の獲得

日本で働く外国人では中国の割合が全体の1/4程度と最も多いものの、2位以下にはベトナムやフィリピン、ネパールといった東南アジアの国々が多いのが特徴です。これらの国の平均年齢は非常に若いということもあり、外国人採用を積極的に行うことで必然的に若年層雇用につながっていきます。IT産業に限らず日本人の若い優秀な人材を採用するのが難しい中、企業のあるべき姿としても若い人材の獲得は事業発展や継続には欠かせません。

 

新しいアイデアが生まれる

日本人ばかりの環境では生まれにくい新しい発想が、外国人労働者が持つグローバルな視点によって生まれる可能性が出てきます。それによって新たな事業展開や新商品の開発、海外展開を含めた販売チャネルの拡大につながるかもしれません。

 

グローバルコミュニケーションの定着

日本で働きたいと考える外国人は日本語を勉強してから来ている人もいます。しかし、外国人労働者の日本語の習得レベルによって異なりますが、母国語でない言語での会話は微妙なニュアンスの違いをつかみ取ることができなかったりすることがあり、お互いのストレスに発展することもあります。

 

そうならないために、外国人ITエンジニアの受け入れ側の日本企業でも積極的なグローバルコミュニケーション習得を試みる必要がでてくるかもしれません。

 

採用するデメリットについて

給与水準は日本人とあまり変わらない

外国人採用は日本人の採用に比べて、給与を抑えられると考えられていたのはかなり昔。今は同額レベルもしくは業種によってはそれ以上の給与水準でないと採用できないケースもあります。

 

また、外国人が就労ビザを取得するための申請費用など諸手続きにかかる費用の負担などが発生しますし、採用活動に人材紹介会社を活用したりすれば、成功報酬型の成約手数料がかかります。日本人の採用よりコスト高になってしまうこともありますので、あらかじめコストの試算をした上で取り組む必要があります。

 

文化や慣習の違いによる問題

外国人が育った国が違えば当然ながら文化や生活における慣習が異なります。そのことを理解しなければ仕事上も意思の疎通を図ることが難しくなってしまうでしょう。特にビジネスに対する考え方や取り組み方など、一緒に仕事をする中で相手を尊重する姿勢は重要となります。中には「郷に入りては郷に従え」の精神が求められる場面もありますので、日本文化の特性を教えていくことも必要となります。

 

就労ビザ取得に時間がかかるため早急な人材獲得の場合は注意を

外国人の就労ビザを申請したのち審査・発行までには通常1か月~3か月程度かかります。さらに発行後90日以内に日本への入国を行わなければ就労ビザは無効となります。

 

そのため現在海外に居住しておりこれから訪日する外国人求職者の場合は注意が必要です。すぐにでも人材を獲得しようとした際には向かない場合があることを想定しておきましょう。

 

技術者の募集が多いIT関連の求人

 

IT業界は日々進歩を続けており、数年前の技術が現在ではすでに古くなっているという事が当たり前の業界です。そのため、外国人ITエンジニアに求められる経験やスキルも刻一刻と変化します。たとえば10年程前まではパソコンやガラケーを中心とした開発がメインであったものの、現在はスマートフォンやタブレットを中心としたサービスを開発できるプログラマやSEが求められています。今後も新しいサービスが生み出されれば、必要となるエンジニアの職種は変化してくることでしょう。

 

現在のIT産業における外国人ITエンジニアの採用募集ではどのような職種への求人があるのでしょうか?ここではその中の一部を紹介します。

 

アプリケーションエンジニア(オープン・WEB)

アプリケーションエンジニアとは、業務系アプリやweb系のアプリ、スマホ系のアプリといったITシステム内のアプリケーションを構築するエンジニアの事を指します。

 

インフラ関連のシステムや、webシステム、ECサイトなどの要件定義から設計、プロジェクト管理、構築だけでなく、運用後の保守・管理も任されることがあります。データベースの知識なども持つ幅広いジャンルの知識を求められます。大手企業から中小企業まで幅広い企業でのニーズがあります。

 

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアの仕事は、社内外のネットワーク構築における要件定義、設計、プロジェクト管理、構築、運用開始後の監視・保守対応などで、上流から下流まで全般的にこなせる能力が求められます。

 

活躍の場はECサイト構築、スマホゲーム・アプリの開発、webの構築の現場、サーバのリプレイス案件など、幅広いジャンルにてニーズがありますが、SIerや情報システム部門を持つ企業クラスで需要がある職種です。

 

サーバエンジニア

サーバエンジニアの仕事は、サーバの設計から構築、稼働したサーバの管理などがあります。ネットワークエンジニア同様に、サーバ構築における要件定義、設計、プロジェクト管理、構築、稼働後の監視・保守対応ができる能力が求められます。こちらもSIerや情報システム部門を持つ企業クラスで採用ニーズがある職種となります。

 

データベースエンジニア

データベースエンジニアとは、データベースの設計、開発、運用・管理を行うエンジニアを指します。ビックデータの登場により、大量データを管理し処理するための大規模のデータベース構築ができるエンジニアは、非常に市場価値が高いとされています。

 

プログラマやエンジニアとしての経験が求められ、OracleやMicrosoft SQL Server、MySQL、PosgtgreSQLなどに関する知識以外にも最新のデータベースソフトであるMemchached、MongoDBといったものでの開発経験があるエンジニアが重宝されます。

 

現在は数がアプリケーションエンジニアやサーバエンジニアに比べてまだ少ないため、データベースの知識があれば、日本語能力が少々物足りないと感じる外国人ITエンジニアでも活躍できるチャンスが高い職種と言えるでしょう。

 

社内SE

システムエンジニアの中でも社内SEは、社内のITにおける開発および管理に関わる技術職を指します。特に社内のIT運用を効率的に進めるためのシステム構築を求められるため、経理や人事、営業部門における業務システムの設計、開発、運用・管理などを行う仕事です。

 

外部企業とのやりとりがなく、納期もクライアント納品の者と比べて格段に緩いこともあり、日本語があまり得意でない外国人ITエンジニアのような場合には向いている職種かもしれません。しかし、社内SEはIT産業の求人市場では人気が高く、技術や能力の高さだけでなく、高いコミュニケーション能力を保有しているエンジニアでないと採用が難しいのが現状です。

 

ブリッジエンジニア(ブリッジSE)

ブリッジSEとは、海外にも拠点のある企業において国内拠点と橋渡しをするエンジニアのことを指します。SEとしてのスキルはもちろんのこと、日本と海外におけるビジネス慣習やコミュニケーションに長けた人間が就くことが多く、母国に開発拠点がある外国人ITエンジニアに白羽の矢が立つことがあります。

 

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアとは、その名の通り「クラウド」上にネットワーク構築を行い、運用・管理するエンジニアを指します。サーバエンジニアやネットワークエンジニアと兼務で行う場合もある職種なので、サーバに関する幅広い知識や構築経験に加え、ネットワークに関する知識や構築経験も必要です。

 

クラウド技術は比較的新しいものではありますが、年々クラウド上のサービスが一般化してきており、外国人ITエンジニアについての需要は高まっていることから人気の職種となりつつあります。

 

外国人ITエンジニアの給料相場

日本で外国人を雇用する時の賃金設定には、国が定める条件を守らなければなりません。その条件には「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」と規定されているため、特別な理由なく日本人求職者と賃金の差をつけることは法律違反となります。

 

しかし実際のところ、日本語能力や英語など複数言語を扱える外国人ITエンジニアであれば、職種や役職、経験等による違いはあるものの給与差が生じることは十分にあり得ます。

 

IT・通信業の平均年収は、転職サイトDODAによる約36万人のビジネスパーソン対象の調査によると、平均年収「461万円」で、業種別の平均年収が最も高いというデータがあります。外国人ITエンジニアも日本人同様の平均年収と予想することができますが、実際の採用現場では世界的な技術者不足も相まって、日本人よりも高い給料を提示しないと採用が破談となってしまうケースが増えているようです。

 

[参照] TECH::CAMP IT業界の平均年収は?

 

見ておきたい動画をご紹介

 

 

 

 

 

まとめ

 

以上、IT産業における外国人ITエンジニアの募集の背景や、求められる能力、求人職種や給料等について述べてきました。

 

間違いなく、日本のIT産業の労働基盤を支えるための重要な労働力としての提供を行ってくれています。これから先、日本での人口の減少が進むにつれて、ますます外国人労働者による日本での就労が求められることは間違いありません。

 

しかし、優秀な外国人ITエンジニアを欲しいと考えるのは日本だけではないのも事実。他の国々に優秀な人材を取られることがないように、国内だけでなく海外とも争奪戦になることを想定し、採用活動に本気で取り組むことが重要となります。

 

採用をスムーズに進めたい場合には、外国人ITエンジニアの人材紹介会社を利用することをオススメします。専任の担当者によるサポートを受けることで、ピンポイントで募集をかけたい人材の採用活動ができるだけでなく、ジョブのミスマッチが起きにくいのが特徴です。

 

また、自社で採用活動を行う手間と時間を大幅に短縮することができますので、外国人ITエンジニア採用を検討する場合には一度相談してみるのがオススメです!

 


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