ベトナム人労働者が日本で働く理由と「給料」について

作成日:2019年11月29日 更新日:2020年1月29日

ベトナム人労働者が日本で働く理由と給料

厚生労働省のデータによると、2018年10月の段階で日本では1,460,463人の外国人労働者が働いています。その内訳は、中国人が1位(26.6%)、その次にベトナム人(21.7%)、フィリピン人(11.2%)と続いています。

 

[参照] 厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ

 

中でもベトナム人労働者は、非常にまじめで勤勉であることから、少子化で労働人口が減少している日本では貴重な人材として注目を浴びています。

 

ではなぜベトナム人はわざわざ日本に来て働こうとするのでしょうか?
ここでは、ベトナム人労働者が日本で働く理由やその背景、日本で働くベトナム人の給料事情についてまとめてみました。

 

ベトナム人労働者が人気である理由とは

ベトナムの国旗4

 

そもそも、なぜ日本でベトナム人労働者が採用されるのでしょう?その背景にはベトナムの国を挙げた政策が背景にあります。2016年よりベトナム全土の小学校で日本語を英語と並んで「第一外国語」として教えられることを目指す方針が発表されています。もともと親日派であり、日本から飛行機で5~6時間と比較的身近な国であることもあって、日本とベトナムの関係は良好であるとされています。そんなベトナムで日本語を学ぶ学生が、将来ベトナム国内にある日本企業で働きたい、日本に行って働きたい、と思うのはある必然のことかもしれません。

 

国内で年々増えている

2018年に法務省入国管理局が発表した統計によると、日本の在留ベトナム人の数は330,835人で、これは2017年の262,405人から26.1%増を記録し過去最高となっています。

 

[参照] 厚生労働省 平成30年末現在における在留外国人数について

 

在留資格別 在留ベトナム人中長期在留者数(2018年末)

技能実習 164,499人
留学 81,009人
技術・人文知識・国際業務 34,752人
永住者 16,043人
家族滞在 15,301人
定住者 5,509人
特定活動 4,897人
日本人の配偶者等 2,486人
その他 1,518人

外国人がわざわざ働きに来る理由とは

外国人がわざわざ働きに来る理由とは

 

多くの外国人にとって日本は非常に魅力が高い国であるとされていますが、日本で働きたいと思う理由には以下のようなものがあると言われています。

 

給与が高い

ベトナム国内での平均年収は約30~40万程度、月に換算すると30,000円程度と言われています。日系企業で働くベトナム人であれば多少高いものの、それでも月収にして50,000円程度が相場です。

 

そのような背景もあり、東南アジアをはじめとした諸外国からすると、日本は給与水準が高く収入を得やすい国ということになります。経歴や学歴、職種、日本語がわかるかどうか、などに左右されるものの、日本で労働した場合には100,000円程度は見込めることから、日本で働くことを希望するベトナム人が後を絶ちません。

 

社会保険・福利厚生といった制度が充実

日本の労働環境は、社会保険などの制度が充実していることから、外国人にとってとても魅力に映ります。当然職種や業務内容、雇用形態によってそれらの制度が受けられない場合もあります。

 

日本で働く外国人が抱える問題とは

ベトナム人労働者が抱える問題

 

日本で働くベトナム人が増えている一方で、失踪者が多いのも特徴です。2017年には3751人のベトナム人労働者が日本国内で失踪しており、日本のみならず問題視されています。

 

失踪の理由については、職場環境の問題や人間関係など日本人でも問題となるようなもの以外に、ベトナム側が日本に送り出す際の派遣費用といったことも大きな問題と言われています。

 

たとえば日本で働きたいというベトナム人が技能実習生として日本に来る場合、仲介業者を経由して手続きを行うケースが多く、そのため仲介業者に対し渡航前に100万円以上もの多額の費用を払い準備を進めていくことになります。この際の費用は借金で賄われることが多く、晴れて日本で働けることになった後、労働によって借金を返済していくことになるのです。

 

当然日本での生活費や居住費を払いながらこれらの借金を返していくことになるため、返済目途が立たないという事態に遭遇する場合もあり、その結果失踪に至る、ということが生じてしまうケースがあります。
また、日本企業側の暴力や給与の未払いが多数報告されており、失踪の原因の一つと考えられています。

 

必要となる就労ビザと在留資格

外国人労働者を採用し雇用する際の注意点

 

ベトナム人をはじめとした外国人労働者を日本で採用し雇用するためには、最初に外国人労働者の就労ビザ、在留資格、などといった問題がクリアになってはじめて雇用が成立します。

 

[関連ページ] ネパール人の労働者を採用し雇用する際の注意点とは

 

就労ビザの取得

ビザ(査証)とは、日本へ入国を希望する外国人に対し、何も問題がないことを証明書です。日本国内で外国人労働者を雇用し働いてもらう場合、就労ビザの申請及び取得を必要とします。
外国人労働者と雇用契約を締結する際には、入国管理局への就労ビザ申請前に終えておくのが一般的(雇用契約書の添付が就労ビザ申請に必要となるため)とされています。まれに雇用契約は締結しているのに、就労ビザの申請が通らないため、日本で働くことができなかったということがありますので注意が必要です。

 

[関連ページ] 外国人を雇用する際に必要となる就労ビザ・在留資格の確認と申請に必要な費用

 

就労可能な在留資格(就労ビザ)

外国人が手に入れることのできる就労ビザは以下の19種類の就労が可能な在留資格のどれかに当てはまることが条件で、1人につき1種類取得ができます。

 

外交 外国政府の大使、行使など
公用 外国政府の職員など
教授 大学教授など
芸術 作曲家、画家、著述家など
宗教 宣教師など
報道 報道機関の記者、カメラマンなど
経営・管理 企業経営者、管理者など
法律・会計事務 外国法事務弁護士、外国人公認会計士、弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、弁理士など
医療 医師、歯科医師、薬剤師、看護師など
研究 政府関係機関や企業・財団の研究者など
教育 小・中・高等学校などの語学教師など
技術・人文知識・国際業務 システムエンジニア、技術開発・設計技師、通訳・翻訳、語学講師、デザイナーなど
企業内転勤 外国の親会社・子会社といった関連企業からの転勤者(期間限定)
興行 歌手、ダンサー、スポーツ選手など
技能 調理人、パイロット、土木建築技師など
技能実習 技能実習等
高度専門職 高度な専門的能力を有する人材
介護 介護福祉士の資格を有する者
特定技能 特定産業分野や建設及び造船・舶用工業分野に属する疑似脳を要する業務に従事する

 

[参照] 出入国在留管理庁 在留資格一覧表

 

外国人労働者の受け入れ可能職種について

外国人労働者の場合、在留資格によって受け入れ可能な職種が決まっています。受け入れ可能な職種とはいえ、必須作業等の条件があり、それらの条件をクリアしなければ受け入れができません。

 

高度人材の受け入れ可能な職種
技術・人文

就労条件:大学卒業
在留期間:原則制限なし
転職の可否:同業種内であれば可能

国際・通訳

就労条件:大学卒業
在留期間:原則制限なし
転職の可否:同業種内であれば可能

 

特定技能1号の職種

※特定技能1号:特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格

 

厚生労働省 介護

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

ビルクリーニング

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

経済産業省 素形材産業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

産業機械製造業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

電気・電子情報関連産業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

国土交通省

建設
(型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき、電気通信、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ)

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

造船・舶用工業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

自動車整備

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

航空

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

宿泊

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

農林水産省

農業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

漁業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

飲食料品製造業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

外食業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

 

[参照] 公益財団法人 国際研修協力機構 在留資格「特定技能」とは

 

技術実習生の受け入れが可能な職種

※特定技能1号:特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格

 

厚生労働省 介護

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

ビルクリーニング

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

経済産業省 素形材産業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

産業機械製造業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

電気・電子情報関連産業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

国土交通省

建設
(型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき、電気通信、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ)

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

造船・舶用工業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

自動車整備

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

航空

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

宿泊

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

農林水産省 農業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

漁業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

飲食料品製造業

就労条件:18歳以上
在留期間:5年
転職の可否:同業種内であれば可能

 

[参照] 厚生労働省 技能実習制度 移行対象職種・作業一覧

 

日本で得られる賃金について

ベトナム人労働者の賃金について

 

日本で働くベトナム人の給料はいったいどれくらいなのでしょうか?

 

給料に関する明確なデータは公表されておらず正確なところはわかりませんが、日本で外国人を採用し雇用する場合、外国人を雇用する時の賃金設定には国が定めた条件があります。それには「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」と規定されており、特別な理由なく日本人と差をつけることは法律に違反することになります。とはいえ職種や役職、経験等による能力によって生じる賃金差は原則許容されていますので多少の給与さはあることでしょう。とはいえ、ベトナム人労働者の給料が極端に安く設定されているということはないと思われます。

 

また、最低賃金を下回る給料設定がなされている場合は、外国人に限らず日本人の場合でも問題となりますので気を付けなければなりません。

 

また、労働者を募集する際には、従事する際の業務内容および賃金を含めた労働条件を明示する義務があります。採用時には労働条件に関する書面の交付が義務付けられており、これに違反した場合、最大で30万円の罰金が科せられることがあります(労働基準法第15条による)。

 

まとめ

まとめ

 

以上ベトナム人労働者が日本で働く理由や、ベトナム人労働者が日本で働く場合の給料などについてまとめました。

 

日本企業にとってまじめで勤勉なベトナム人は労働者としてみても非常に魅力的な存在です。
そんなベトナム労働者を採用しようと考えているならば、ベトナム人専門の人材紹介会社を利用してみるのもよいでしょう。人材紹介会社を利用することで、採用担当者の労力を大幅に減らせますので一度検討してみてください!

 


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